オンラインイベント「あの記事の人に会いたい」レポート③

2021年4月~5月、3回にわたってオンラインイベント「あの記事の人に会いたい」を開催しました。ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました!

コトノネに登場した方(連載も含む)をゲストに、読者の方からオンラインでインタビューをしていただくという、この企画。このコラムでは、イベントの様子と参加された方からの感想を、抜粋してご紹介します。

◎第3回(5/15)

ゲスト:野々村光子さん(東近江圏域 働き・暮らし応援センター“Tekito-”センター長)

第3回のゲストは、コトノネの連載「ようきたな、みっちゃん」でおなじみの、野々村光子さん。読者の一人、小木曽まこさんの熱い要望を受けて、オンラインでのインタビューが実現しました。

コトノネの連載には、野々村さんが就労支援の現場で出会った、さまざまな人が登場します。コトノネ36号の記事が、とくに印象に残っているという小木曽さん。そこに登場するのは、お兄さんが首を吊った部屋で、警察に逮捕された両親の帰りを待ち続ける男性のエピソード。「いったいどんな思いで、その人のところに通っていたんですか?」という質問から、インタビューがスタートしました。

野々村さんは、「その人から見える景色を見たいって、いつも思うんです。わたしは彼になれないし、彼の気持ちもわからないけど、目の前の人の人生を、お前すげえな、たまらんなあ!って言いながら、近くにいることはできる」。

野々村さんが福祉の道に進んだきっかけは、「もう一回社会の中で働くために、作業所で練習している」という精神障害の女性との出会い。「なんちゅう、かっこええ大人が社会にいるんやろう!こんな大人の中で生きたい」。その思いが、原点にあるのだとか。

ご自身でも、障害のある人の働くカフェを運営する小木曽さん。2人の話は、福祉の制度や「支援」という言葉への違和感にも及びました。「制度を考えた人に罪はなくても、必要な人にうまく届かないことがある。くそ!って思いながら、いつも闘ってます。でも、制度も支援も、この人たちの人生にはかなわへん。彼らの暮らしほど、社会の最先端はないんです」(野々村さん)。

コトノネの連載を通じて「その人の人生に感じる『たまらん!』を、ちゃんと言葉にしていきたい」と話す野々村さん。今後の連載にも、ぜひご注目ください。

【参加された方からの感想】

野々村さん面白すぎて、ずっと聞いていたいです。(Hさん)

楽しそうに話している姿に、すごく惹きこまれます。(Mさん)

市役所側の人間ですが…野々村さん見る度に、『間違ってない、まだ頑張れる』と思います。また、明日から頑張ります!(Yさん)

【読者インタビュアー・小木曽まこさんコメント】

コトノネが届くと真っ先に開くページ「ようきたな、みっちゃん」。みっちゃんが繋ぐ文字を目で追いながら「すげーなぁ~」と感動してました。その「みっちゃん」こと「野々村光子」さんと生で話せる!!なんという事でしょう…。

当日は野々村さんの話を是非!という方々がPCの画面に集まり、緊張の中スタート!是非、野々村さんに聞いてみたかった「今までに、これはしんどい!」と思ったケースはありますか?」という質問をしようと思っていた私ですが、野々村さんの「どんな状況であれ、その人と同じ世界が見たい」との言葉に、愚問を投げかけようとした自分を恥じました。

野々村さんは「支援」として動いているのではなく、「尊敬」と「愛」が彼女を突き動かしていると。心地よいお節介が、閉ざしている心を少しずつ少しずつ溶かしているのかも。彼女が行っているのは「支援」や「福祉」枠ではなく「人の愛」なんだと感じた時間。

やっぱり、みっちゃんは「かっちょいいオンナ」でした。

第1回レポート(ゲスト:多田伸志さん)

第2回レポート(ゲスト:岩崎航さん)