読者からのメッセージ わたしと『コトノネ』④

季刊『コトノネ』は、2025年11月発行の56号をもって休刊しました。

14年間、たくさんの読者の方に支えられた『コトノネ』。

最終号の56号では、読者のみなさまから「わたしと『コトノネ』」というテーマでエピソードを募集し、抜粋してご紹介しました。ここでは、誌面に掲載しきれなかったものや、2025年5月に行った読者アンケートに寄せられたものも含め、みなさまの思いの詰まった言葉をご紹介します。

たくさんのあたたかいメッセージ、本当にありがとうございました。

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東日本大震災が起こり、福祉も被災者支援も素人の私なのに被災地へ行くことにした。そして、デザインも販売もド素人なのに現場で知り合った被災障害者施設さんなどと手を組んで商品開発を始め、「欲しくて買ったら、被災地のあの人の笑顔につながっていた」そんな商品たちを作った。

だけど、売り方が分からなかったので、何かしらヒントを、と参加してみた講演会、「つくる と うる の あいだ と これから」。会場入り口に並べられていた冊子は、タイトルが何と書いてあるのかはっきりと読めなくて、中身が何かも全然わからない。でも、表紙が素敵なのでとにかく全部買ってみた。

すると、私の前に座ろうとしたおじさまがニコニコと関西弁で「いやー、そんなに? うわー、うれしいなあ」と。これが私と『コトノネ』、そしてこの講演会の講師でもあった里見編集長との出会い。

『コトノネ』を読んでも商品の売り方はわからなかったけれど、けれど、コトノネは魅力的だった。「手に取っていただいて、ありがとう。」から始まる『コトノネ』に、「こちらこそ、ありがとう」と挨拶を返しながら毎号読み続けた。

実は被災地に入る2年前まで私は中学校の教師で、支援学級を担当する年もあり、『コトノネ』の紙面で出会うお一人お一人が、教室で一緒に過ごしたあの子たちと重なっていた。そんな私は、『コトノネ』を周りの人に紹介したくてたまらなくなり、軒先書店に手をあげた。店舗のない個人商店。いつもいつもカバンに『コトノネ』2冊。試し読み用と販売用よ。そして何がきっかけだったのか、私は読者編集委員の仲間に入れていただくこととなった(…と言っても、これまた素人の私には何にもできなかったけれど。)

私と・『コトノネ』と・私から購入してくださる愛読者さんと・被災障害者施設さんと・編集部と。出会いと13年間のつながりに心から感謝。新しいスタートのための終わり、なんだけど、やっぱりさみしい。卒業式の前日の気分。

彌永恵理さん

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毎号、表紙の写真、グラビアからやられます。

すでに退職しましたが、中学校の教員でした。最後の6年間、通級教室を担当したことから、「困った!?」を抱える子どもたちと共に考え学ぶ中で、いろいろと自分自身に気づかされる日々でした。

で、理由の方が先になりましたが、今、友人のもとに貸し出し中で、詳しいことはわかりませんが、北海道の子どもたちの自分研究。その後が知りたいです。ああ、こうな風にやれたらよかったなあ…なんて考えました。

軒先書店彌永さんより、購入しています。

毎号、自分の知らなかったこと、世の中に溢れる不条理と、そんな中で、精一杯命を輝かせて生きている人たちが肩肘張らない語り口で紹介されていて、世の中捨てたもんじゃあない!と思わせてくれる1冊です。

休刊は残念ですが、再刊をお待ちしています。

吉田 泉さん

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東日本大震災から14年ですね。初めて『コトノネ』を手に取った時の新鮮な衝撃を改めて思い出しました。コロナ禍を経て、世の中がますます不安定になった現在までコトノネが続いてきたことは、本当に意味のあることだと思っています。

障がい者の働き方のイメージを一新させるデザインと内容で、勇気づけられた方は多いと思います。働き方から生活までテーマはどんどん広がっていき、絵本の出版や農福連携など多くの社会問題に発展していく様は、本当に驚き、尊敬の念に堪えません。相模原障がい者殺傷事件、原発事故からの避難生活、能登地震など時事をとらえ、正面から見据えるジャーナリズムにも目を見張りました。

今号で最後になるのは残念ですが、今後も『コトノネ』が問いかけ続けたこと、「生きるとはどういうことなのか」「社会を楽しくするため、未来にむけて今できること」を考え続けたいと思います。たくさんの気づきを本当にありがとうございました。

村島有紀さん