【真備町のいま 岡山マインド「こころ」より 多田伸志】「大変じゃったね」とお互いに寄り添うことから

ビアマビ-01

朝夕に肌寒さを感じ始めました。あの灼熱の7月、泥と格闘した毎日から118日が経ちました。真備ではスーパーやホームセンターが再開し、その傍らで少しずつ更地が増えています。

仮設住宅266戸、みなし仮設住宅が県内12市町に3091世帯(10月17日現在)、この数字が表すもの…、圧倒的なコミュニティーの崩壊と孤立です。みなし仮設住宅は「見えない仮設」と言われます。2016年に起きた熊本地震では、今年8月までに22人が「孤独死」の状態で見つかり、そのうち9割にあたる20人がみなし仮設住宅に身を寄せていたそうです。

私たちは真備町内の高齢・障害・児童福祉事業所と医療機関、行政や社協と「真備連絡会」という集まりを3年続けてきました。みんな被災しましたが、この会で「お互いさまセンターまび」を立ち上げることとしました。被災した私たちが被災した人を支援する組織、「大変じゃったね」とお互いに寄り添おうと思います。11月1日(木)、「お互いさまセンターまび」の開所、まずは無料の移動支援から始めます。

10月14日(日)の夕刻に真備公民館駐車場は700名もの人がお集まりくださいました。「沢知恵&キヨサク 弾き語りコンサート」、8月から毎月開いている住民交流会です。第一回の8月は工事現場用のサーチライト1個が照らす灯りの中でした…今回はシンガーソングライターの沢知恵さんが自宅のグランドピアノを持ち出し、モンパチのキヨサクさんも電車を乗り継ぎ、ゴロゴロとウクレレを載せたカバンを引っ張りながらお客さんと会場入り。照明も音響もみんなの持ち寄りのコンサートでした。みなさんの笑顔が少しずつ、少しずつ…続けてまいります。

67

73

エンディングはもちろん「ふるさと」。また壊れた(笑)、地元の小学生やマインドの仲間たち、そして飛び入りの爺さんが一緒に奏でるハーモニカと語り、「みなさん、ふるさとを大切に」…、会場は涙と拍手で一つになりました。

69

10月23日(火)は、第一回「お互いさま復興を考える会」、先人からの学びです。
熊本地震のとき、「被災地障害者センターくまもと」を立ち上げて、今も支援し続けている東俊裕さん(熊本学園大教授)をお招きしました。ご自身が車椅子の東先生は言われます。ひたひたと水が上がってくる中で、逃げれず亡くなった多くの人たちは高齢者という名の障害者でしたと。阪神淡路、東日本、熊本、そして西日本豪雨…何一つ教訓としなかった私たち…新しいまちづくりに向けて私たちができることは、姿をさらし、できることを助け合うこと、「それは一生ものになります」と東先生…やろうと思いました。

そして11月1日(木)、私たちは「お互いさまセンターまび」を開所しました。無料の移動支援を5か月間…軽四の中は「大変じゃったね、わしも大変でした」と運転手が語りかける…ここから始めます。

写真/川田航平

真備町復興プロジェクト「一緒にやろう!」趣意書

キャプチャ