【真備町のいま 岡山マインド「こころ」より 多田伸志】真備町復興プロジェクト「一緒にやろう!」趣意書

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ここ数日涼しく感じます、これまでが暑すぎましたから。8月6日(月)、午前8時15分、毎年のことです、西に向かって黙とうをします。
7月7日(土)、私たちのまちは水に沈み、それは西日本豪雨と名付けられました。7月6日は避難勧告が出た日。あれから一か月、8月6日が被災一か月になるのだそうです。
毎日まいにち、1000名を超えるボランティアの方々が真備町を助けに来てくださったそうです。私はマインドがある箭田(やた)地区しか分かりませんから、その中で泥を運び出す一か月を過ごしました。最初は泥だらけの家財を運び出すのに一生懸命の家主さん、でも空っぽになった家を前にして、ボランティアさんに話しかける家の主は、水が来た当時のことをずっと話される。やっと話ができるようになった、聞いてほしい、そんな気がします。
真備町では被災した家の解体費が国の補助で出るようになりました。解体費用は300万円と法外な値段、現地を見ずして言い放つ業者…1階部分が水に沈んだほとんどの家々は、改修か、解体かを迫られます。遠い場所にある「みなし仮設」住宅へ出られた方々は、「仲間」をなくし、知らない土地から子どもの学校への送り迎えがはじまります。いったん町外に出て、そこに根をつけた人はもう戻ってこれないと言われます。
まちに人がいなくなる。一旦はまちを出ても、もう一度家を改修してこの町に戻ってほしい、解体を急がないでほしい、「このまちで一緒に暮らしていきませんか」…そんな想いから私たちは勝手に、真備町復興プロジェクト「一緒にやろう!」を立ち上げました。
避難生活をされている人たちは2000人、この人たちは真備へ戻りたい、真備で暮らしたいと願っています。夜は真っ暗で誰もいないまち、「ひとつでも灯りをともさにゃー!」と2階を片付けて帰ってきた夫婦、「母がどうしても帰りたいって言うんで、いっしょにここで寝ますわ」とエアコンもない2階を片付ける男性。私たちはこんな人たちが真備を出ていかずに、このまちで暮らし続けれるよう、家の改修費を支援できないかと思いました。そして真備町が新たに復興する旗を急いであげたい、メッセージを伝えたい、「こんなまちにしよう!」「一緒にやろう!」、こんな妄想を形にしようと思います。
趣意書をつくりました、コトノネの編集者の方々が何度も校正してレイアウトしてくださいました。ご一読ください、よろしくお願いいたします。

真備町復興プロジェクト「一緒にやろう!」趣意書
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