【コトノネ編集長のおまけ日記】「ボーっと生きてんじゃねえよ」

コトノネ編集長のおまけ日記

見たことないですか、NHKの「チコちゃんに叱られる」。想定5歳の幼女チコちゃん。出演者を呼び捨てにする。「北海道はどうして北海道と言うの」。答えられない。「ボーっとして生きてんじゃねえよ」。チコちゃんはブチぎれる。目から怒りの炎が噴火する。「干支の丑って、どういう意味?」。稀に正解する。「つまらないやつだな」と嘆く。

久々です、おもしろいクイズバラエティに出会った。「又吉直樹のヘウレーカ!」もおもしろい。ヘウレーカとは、わかった、と言う意味らしい。「ブラタモリ」もいいな。この2つは流れる時間がゆったりしている。笑わせようなんてガツガツした感じがない。どちらも、NHK。報道番組はひどくても、特集番組もドキュメンタリーもNHKはおもしろい。やっぱり、視聴料を払いましょうね。

「チコちゃん」には、笑い転げる。ツボに入りまくり。こまっしゃくれたチコちゃん。大人を小ばかにする。悪態をつく。現代の禁句が飛び出す。なんて気持ちがいいんだろう。

テレビは、子どもも見る。子どもはおまけだったのに、いつしか、子ども優先になった。子どもサイズの道徳観がでしゃばるようになって、おとなはおもしろくなくなった。道徳を言うなら、まず、国会でやりなさいよ。小学校の教室で教えるより。テレビで、どんな道徳を示すのか。不倫報道で、40歳過ぎの女性代議士さんの親まで追いかけてマイクを突きつけているけれど、この報道の方がよっぽどハレンチで不道徳じゃないの。チコちゃんに叱ってもらいたい。道徳面して「カッコつけてんじゃねェよ」。

チコちゃんの「つまらないやつだな」は、涙が出るほどなつかしい。小学校5年生の時、担任の先生を思い出す。この先生、答えを間違うと、「違うわよ。でも、その考え、おもしろいわね」と誉めてくれた(正確に言うと、褒められたと思っていた)。あまりにうれしくなって、どのように答えを外すか、頭をひねった。「いやあ、そんなのよく思いついたね」「どこから、思いついたの」と、正解より間違った方が先生がよろこんでくれる。もう、うれしくて、うれしくて、国語や社会が大好きになった。

小学校を卒業するまで、正解は「つまらないやつだなあ」だった。おとなになって、正解がないことを知りました。