【コトノネ編集長のおまけ日記】23日は、沖縄「慰霊の日」だった

コトノネ編集長のおまけ日記

6月23日、最新号『コトノネ』26号のクラビア写真を撮っていただいた大西暢夫さんと、『コトノネ』のコラボ企画として、下北沢の書店B&Bで、大西さん監督の映画「オキナワへいこう!」の上映会を開催した。大西さんが、大阪の浅香山病院にかよって写真に収めて、映画に発展させた。

さすが、わがふるさと大阪、精神病院が舞台、出演するのも患者だが、同情はいらない。笑いの連続だった。上映後の大西さんと少し座談の場を持ってもらったが、そのときに話したように、わが町では、路地で悪さをしていたら、近所のおばはんに、「そんなことしてたら、浅香山に掘り込むで」と怒鳴られた。幼いときは、どんなところか知らなかったが、わからない分だけ、とても空恐ろしいところだ、と感じた。何しろ、当時は、会社を辞めさせられることを、「首切り」と言っていた。炭鉱が閉鎖された、「大量首切り」、工場が倒産した、それ「首切り」。子ども同士で、仕事って怖いなあ、ホンマに首切られるんや、と言い合ったものだ。少し成長してから、浅香山が精神病院を意味することを知った。

友達の家には、座敷牢もあった。離れの方には行ったらあかんでと言われていた。でも、行ったら、あかんと言われたら、行きたくなるのが、子ども。何度か、裏庭に回った。木の格子の外に女性が出ていた。薄い着物を着て、縁側に座っていた。薄い空気をまとっていた。

子どものころに植え付けられるイメージが強い。理屈にうなづいても、心はしこったままだ。でも、今日の映画の中と笑い声と、会場の笑い声と、自分の笑いが重なり合って、かなりほぐれた。大西さんにお礼を言わなくてと思って、言い忘れた。

短い座談を終えて、懇親会も途中抜けして、帰りの電車のホームで気づいた。今日は、沖縄の戦争記念日、『慰霊の日』だった。沖縄の映画なのに一言、なぜ、言わなかったのか。ほんま、ボーっと生きてるな。