【梶原真智 連載コラム ワンハンドキッチン】ほっこりキノコご飯

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お出かけが楽しくなる時期になってきました。週末のイベントやお弁当の相談、ワークショップとかかるお声が増えてくるのもちょうど秋。その時々は平日の夜でもあったりして、参加いただく皆さんと一緒に賑やかに過ごすこともあります。あれがしたい、これがつくりたいのご要望やイメージを聞くたびに自分も一緒にわくわくもして。毎回新しい発見もさせていただいています。その一方で行きたいところにはなかなか出かけられない時期でもあって。この時期は皆さんからいただくお土産がまた一段と嬉しかったりしています。選んでくださる方も「これで何つくるんだろうな?」とにやにやしながら選んでいそうだけど。

こころみ学園のワイン醸造場ココ・ファーム・ワイナリーの見学に行ってきたという知人よりしいたけをいただきました。え?ワインじゃないの?しいたけ?不思議がる自分に笑いながら、でも大事に袋から取り出すその手に、ああ、ここの商品を大切に思っているんだなあとなんとなく感じるものがあって。ありがたく受け取ったのが今回つかった干ししいたけ。スーパーで買うものには、しっかり干し上げているというか比較的固めの印象を受けるけれど、これは最初からやさしい手触りでスライスしてある割にはかさかさしていない。あ、おいしくなりそうと食べる前から感じるものがある。

しいたけは、料理の具材としてだけではなくて出汁としても重宝されているキノコ。生のしいたけは肉厚の食感が楽しめるからそのまま焼いたり炒めたり、カリカリのパン粉やてんぷらに。そのうまみをぎゅっとした乾物だったら、再びふっくら戻してお惣菜や煮物、戻し汁を一緒に料理に合わせておいしく使い分けるのがおすすめ。調べてみると低カロリーで、ビタミン、ミネラル、食物繊維まで豊富だとか。いいことづくめの解説を読むと無駄にはできないぞ!という気合と、さあこれをどうしよう?という課題感に背中が伸びるような気もして。

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いろんな国出身の様々なキノコを扱ってきたけれど、どこにも負けない独特のこの香りは保存食になってもやっぱりいい。キッチンの片隅にかならず控えているような普段使いの食材が、地域や扱い方で意外なおいしさになるとまだまだしらないことがある嬉しさに思わず笑顔が引き出されます。どんなところでどんな方たちがつくっているんだろうな。そんな背景を知りたくなったりもして。今回は地味だけど滋味深いシンプルな炊き込みご飯。湯気までおいしいって感覚をぜひ。

【材料】
干ししいたけ ふたつかみ、米 1合、出汁(希釈しためんつゆでも可)大さじ1、醤油 小さじ1

【作り方】
①干ししいたけを戻す
※しいたけが被るくらいの水につける
※戻し汁ごと使うので水分は切らない

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②お米を洗い水を切っておいた容器に①を戻し汁ごと入れる

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③他の調味料もすべて入れて混ぜた後に水を追加して炊く
※水加減は白米1合炊くときと同じ量にする00-5

④全体を混ぜてつぎ分ける
※冷凍ごはんとしての保存もできる
※温めた牛乳や豆乳などと合わせてリゾット風にしてもおいしい

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手渡されたのは楽しかった思い出のおすそ分け

嬉しい気持ちでありがたく優しい気持ちでありがたく

ふうわり香る素材から立ち上る湯気ごしに

お土産話もおいしくいただくほっこりキノコご飯、出来ました。

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