【コトノネ編集長のおまけ日記】半世紀ぶりのクラスメート

コトノネ編集長のおまけ日記

過日、千葉でユニバーサル農業の講演会に参加させていただいた。
そこで、高校時代のクラスメートに会った。講演会のチラシを見て、わたしとわかって会いに来てくれたという。ありがたい。
たぶん、道ですれ違っていてもわからなかっただろう。会場に入ってくる姿を見ても、わたしは気づかなかった。もう高校を卒業して50年以上。一度も会ったことはない。でも、青春時代の友は、すごい。「おお、そや、そや」「へえ、知らんかったわ」と、すぐダチ言葉になっている。

彼の話では、わたしは、高校時代、文芸部に所属していたらしい。そう言われれば、そうかもしれない。彼からは、続々と当時のクラブ仲間の話が出る。「Iくんにキミの話をすると、会いたがっていたよ」。急いで、思い出をまさぐる。おぼろげに顔が浮かんだ。「変わったやつやったやろ。キミと同じで」。わたしは、変わってたか。知らなかった。「SくんやHくんとも話して、今度、同窓会をやろうと思ってる」。へえ、同窓会なんか、やってるのか。「いや、いや、久しぶりや」。わたしは、誰とも連絡もせず、付き合っていなかった。みんな元気なんや。「Nくんは亡くなった」。はっきり次々思い出してきた。
Nくんは、腰のベルトに手ぬぐいを挟み、ぶら下げていた。太宰治を気取っていた奴や。いつも、憂鬱な顔で校庭を歩いていた。そういえば、Iくんは、サルトルやった。50年以上前の青年のシンボルは、この二人だった。それに、政治に関心のあるやつは、朝日ジャーナルを二つに折って持つこと。それが、ファッショナブルなスタイルだった。

年内に、大阪で同窓会を企画するらしい。「連絡するから、来いよ。みんな、楽しみにしている」。50年、よく生きてきたな、また会えるかな、と思いながら出かけ、思いながら帰ってくるのだろう。ほんま、人生は短いなあ。