【コトノネ編集長のおまけ日記】ウザい、ワールドカップ

コトノネ編集長のおまけ日記

いまごろですが、ワールドカップの話です。

ワールドカップのたびに、終わってからつくづく思うのですが。自分であれだけ騒ぎながら、言えることではないのですが、ワールドカップの試合報道がウザかった。
個人的な好みで、人はどうか知らないし、関係もない。人にどうこうしてほしいとも望んでいない。別にテレビ局に苦情の電話をかけようとは思わない。かけても、取り合ってもらえないだろう。とても、わたしなんぞに忖度してくれない。
 
日本がコロンビアに勝った。サッカー界では歴史的快挙らしい。それは、めでたい。けれどね、日本が勝つことばかりを、視聴者に伝えていいの。スポーツの価値は、ひたすら勝ち負けなの。「平和な戦争」なの。せっかく、世界を代表するチーム、選手が集まるのに、サッカーのおもしろさを伝えられないのか。すごいシュートが決まった。そのまえにキラーパスがあった。では、あのシュートはどこからはじまっていたの。なぜ、あの選手は、あそこにいたの。どこが、誰が狙われているの、などなど、サッカーのプレイの楽しみ方を教えてほしい。Jリーグではお目見かかれないプレイの奥深さを知りたい。サッカーの繊細さ、ダイナミックさを教えてほしい。
こんな報道をしていたら、せっかくのワールドカップなのに、日本が負けたら、熱が引く。勝ってもワールドカップが終わったら、Jリーグに熱伝導しない。当り前じゃないか。もう、日本は出場しないのだから。今の報道の仕方では、勝ち負けにこだわる人は育てられるが、サッカーを楽しんでくれるファンは育てられない。

昔々、中田英寿がJリーグでやっていたころ、スポーツ新聞の記者には話す気がしないと語っていた。「記者がプレミアリーグもセリエAも見たことないんですけれど、と平気で言った」。見たことないのも許せないが、平気で言えるところもすごい。素人が報道するんだから、そりゃ、優勝しました、亡くなったおばあちゃんが喜んでいるでしょう、としか、選手に持ち掛けられないよね。
何言ってんだい、われわれだって、スポーツの楽しさを伝えたいよ、テレビの視聴者がおばあちゃんの方をよろこぶんだよ、というかもしれない。でも、スポーツの楽しさに目覚めさせるのが、報道じゃないか。

なんで、わたしが、プレイそのものへの感激を置いて、選手のおばあちゃんのよろこびに付き合わなければいけないんだ。(すいません、亡くなられたおばあちゃんを冒涜する意図はありませんので、お許しください)