【コトノネ編集長のおまけ日記】常備薬割引

コトノネ編集長のおまけ日記

夏休みが終わる。宿題は終わったの、とお母さんから追い立てられる子もまだいるのだろうか。イジメがつらくて、親にも言えなくて苦しんでいる子もいるのだろうな。

過日の日曜日、オッサン、11人が集まって、近所の中華屋でOB会を開いた。地元のサッカーチーム、南大谷ダンディキャッツの元メンバー。あと2年で創部30年。スタート当初は、35歳以上が参加資格。しばらくして、40歳になり、いまも40歳以上がメンバーになっているが、集まったのは、ぎりぎり50歳代ひとり。後の10人は、74歳を頭にしてみんな堂々たる60歳以上。まだ、7人は現役で働いている。ひとりは、週に何日かはアルバイト。ひとりは、55歳で早期退職して悠々自適。「教師の奥さんを最寄り駅まで送り迎えするのが、仕事や。その行き帰りに職場の人間関係の愚痴を聞くのが、もっと大事な仕事。そんなに嫌なら、やめりゃあいいのに。仕事が好きな人が多いね」とハッハッハと陽気なもの。
30年ほど前に、サッカーをやりだした頃はみんな若かった。わたしも40歳代。宴会になれば、リフティングが10回もできないのに、一人前に試合でのプレーを語った。何年かすれば、子どもの悩みを抱えるやつが、宴会場の隅の方に固まり、愚痴を言い合った。できの悪い子どもにもあきらめがついて、自分が親として落ち着いてきたら、親の老後の話になった。そして、いまは、自分たちの体調と老後の話だ。
パーキンソン病、認知症、各1人。痛風が3人。常備薬を8種飲んでいるやつもいる。「負けた、ボクは5個」「よかった、ボクは3個」。わたしは、「いまのところ、ゼロ」と言えば、拍手が起こる。わたしは、「次のOB会から、常備薬のいちばん多い人は、会費500円引きにせえへんか」と提案した。「いいね。でも500円は少ない、せめて1000円では」と盛り上がる。OB会を終えた帰り道、ロシアWカップの話はまったくでなかったことに気づく。

「元気でな」と言って別れた。この別れ言葉が、いちばん歳を感じた。