【梶原真智 連載コラム ワンハンドキッチン】こだわらないこだわりの原点おにぎり
こだわらないこだわりの原点おにぎり
握ってるのは米だけじゃない。
そんな気がするのが「おにぎり」です。昔からあるこのスタイルは、様々な場面でその形を変えながらも延々と時をこえて生活に根付いているように思います。おいしい楽しみは原動力。食べたものが次につながる行動をより元気にしてくれるから、「ちゃんと食べよう」「しっかり食べよう」、そんな気持ちにもしてくれるような。
片方の手しか使えないことがわかったとき、「ああ、もう握ってあげられないんだな」と思った。ハンデを負うことになった当事者同士で話をしていると、そこも悲しい気づきになります。自身の身体の変化より先に、大事な人につくることができなくなった現実。切なさを感じると、いろんな方から聞きました。
確かに今は何でも買える時代です。とはいえ「おにぎり」の思い出は売っていない。自身が感じて育ったように、想いも握って伝えたい。他の誰かとつながるときは「おむすび」でいいんだけれど、「おにぎり」でありたい時も確かにあって、ささいなことだけど、ささいなことだから、やっぱり握りたかった。握りたかったんだよ、とうつむく視界にあるとき道具が飛び込んできました。
あ、できるかも。
道具は道具にすぎないけれど、使い方と考え方で、抱えるしんどさを一つ軽くできるなら、やってみる価値はあるように思います。おにぎりの作り方にルールはありません。昔からのやり方は確かに存在するけれど、結局は食べやすくまとまるご飯を作るだけ。シンプルに考える。「支え」があって「形」を整える。これのやり方をハンデの分、道具の力を使えばいい。そう考えたら、後は味方の道具を探すのみ。あ、これもいけるんじゃない?なんだ、これもありなんじゃない?「ねばならない」の思い込みを外してしまえば、料理の幅はぐんと広がります。
【材料】
・ご飯
・混ぜ込みたい具材なら何でも(桜エビ、塩昆布)【使うもの】
・ビニール袋、ボウル、
・「パール金属 立つ しゃもじ C-9302」 パール金属
・「クリッピー カップ ダック C-1858」 パール金属
【作り方】
①ご飯をボウルに出す
②ご飯に具材を入れ、しゃもじでご飯の塊を切るように混ぜる
③ビニール袋に手を入れる
④計量カップでご飯をすくう
⑤計量カップの側面と自分の指を使い、片方にご飯をまとめていく
⑥まとめたご飯を指で整えながら、計量カップからおにぎりを出す
「お腹すいたな」の頭に浮かぶのは、自分でもてるおにぎりな気がする。
気軽に手軽にちいさくおおきいその存在は、いつもどこかあたたかい。
かじってかんでのみこんでからだになってくその味は。
かじってかんでのみこんだ沁みわたってくその味は。
かたちにならないつながりの香りといっしょに自分の中。
こだわらないこだわりの原点おにぎり、出来ました。
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【梶原真智 連載コラム】ワンハンドキッチン